Blog

平成30年9月26日 タイ中銀総裁が利上げを示唆 

おはようございます。タイの中銀が政策金利を維持しました。



1. 4-6月期成長率+4.6%に鈍化

タイ国家経済社会開発庁(NESDB)は8月20日に、4-6月期の国民総生産(GDP)成長率が前年同期比+4.6%になったと発表。4-6月期の+4.9%(当初発表の+4.8%から上方修正)から減速。市場予想の+4.5%から上振れ。前期比では季節調整済みで+1.0%と、1-3月期の+2.1%(当初発表の+2.0%から上方修正)からは減速。

国内消費は好調。輸出(サービス含む)も+6.4%で、1-3月期の+6%をうわまわりました。ものの輸出は+7.4%。観光は減速。

停滞していた民間最終消費は+4.5%で、21四半期ぶりの大きな伸び。1-3月期は+3.7%。農産物価格の上昇や、前政権の推奨策で購入された自動車の買い替え需要が伸びたことなどが要因。

 図表1 タイの四半期成長率(前年同期比)

2. CPI伸び率は横這い

一方、タイ商業省は9月3日に、8月の消費者物価指数(CPI)上昇率が、前年同月比+1.62%であったと発表(図表2参照)。前月の同+1.46%から加速。市場予想の+1.54%からも下振れ。

 図表2 タイのCPI(前年同月比)

3. 政策金利を維持

一方、タイ中央銀行は9月19日の金融政策決定会合で、市場予想通り、政策金利の1日物レポ金利を1.5%に維持することを全会一致で決定(図表2参照)。中銀は15年4月会合まで2会合連続で利下げし、その後は同6月より据え置きに転じました。これで、17会合連続で政策金利を維持したことになります。

中銀は金融政策決定会合後に発表した声明文で、政策金利を据え置いたことについて、前会合時のほぼ同様に「現在の金融緩和の政策姿勢は、経済成長を持続させ、また、インフレ率の物価目標(+1〜4%)達成を考慮した場合、適切であると判断し、多くの委員が現状維持を支持した」としました。

 図表3 タイの政策金利

但、2人の委員が「タイ経済の成長の勢いはかなり強く、金融緩和を長期にわたって続ければ、家計や企業が金融環境は当面変わらないと信じ込む可能性がある。金融政策の調整の余地を作るため、今回の会合で利上げすべき」と主張しました。

平成30年9月25日 ブラジル金利据え置き

おはようございます。ブラジルの中銀は、政策金利を据え置きました。

1. 政策金利を据え置き

ブラジル中央銀行は9月19日の金融政策委員会で、政策金利を6.5%に据え置くことを決定(図表1参照)。据え置きは市場の予想通り。

中銀は5月会合で、急激なレアル安が輸入物価を押し上げインフレを加速させるリスクがたかっているとして、それまでの利下げ継続から金利据え置きに転換しており、据え置きは前回8月の会合に続いて4回連続。

中銀は16年10月会合で、4年2か月ぶりに利下げ(▲0.25%ポイント)に転じて、その後は、今年3月会合まで12会合連続で利下げを実施。16年10月以降の利下げ幅は計▲6.75%となっていました。

政策決定会合後の声明文で、政策金利を据え置きについて、「最近の経済指標を見ると、経済が年初に想定していたよりもゆっくりしたペースで回復している」と、5月のトラック運転手による全国ストラの影響により、景気が一時的に悪化したものの、スト中止後に、景気回復が緩やか乍らも持続し、景気の先行き懸念が緩和したことを挙げました。

 図表1 ブラジルの政策金利

2. インフレ率が低水準を維持

一方、インフレ率は、比較的低水準を維持しています。ブラジル地理統計院は9月6日に、8月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)が、前年同月比+4.19%になったと発表(図表2参照)。市場予想の+4.3%から下振れし、前月の同+4.48%からも減速。

 図表2 ブラジルの消費者物価指数(IPCA)

3. 4-6月期GDPは+1.0%に減速

他方、ブラジル地理統計院は8月31日に、4-6月期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比+1.0%であったと発表(図表3参照)。今年1-3月期の+1.2%から減速。前期比では+0.2%で、前期の同+0.4%から減速。

5月に起きたトラック運転手によるストライキも、景気の下押し要因となりました。政府はスト解決のために、トラック運賃の大幅な値上げ要因となる「公定最低運賃」を導入しました。物流コストの上昇が景気回復の妨げとなる可能性もあります。

 図表3 ブラジルの四半期成長率(前年同期比)

5月下旬のトラック運転手による大規模なストライキは、燃料価格の高騰に対する抗議として、1週間以上にわたり全国の物流網を麻痺させました。特に農業に打撃を与え、農畜産物の輸出が一時的に落ち込みました。

ストの影響は今後も続く可能性が高いとみられます。テメル大統領は、8月9日に、トラック輸送の料金の下限を決める公定最低運賃を導入する大統領令に署名。景気の動向が、10月の大統領選の混戦に拍車をかけることも考えられます。

平成30年9月24日 アルゼンチン4-6月期▲4.2%に低迷 

おはようございます。アルゼンチンの4-6月期GDPは▲4.2%に低迷しました。

1. 8月CPI上昇率は+34.4%に加速

アルゼンチン統計局によると、8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+34.4%(図表1参照)。前月の+31.2%から加速。

 図表1 アルゼンチンのCPI前年同月比上昇率

2. 政策金利を引き上げ

通貨防衛とインフレ抑制のため、アルゼンチンの中央銀行は5月4日には政策金利を+6.75%ポイント引き上げて年40%としました。さらに、8月30日には中銀は政策金利をさらに45%から60%へと大幅に引き上げました。ただ、この日の取引ではペソは続落し、一時▲20%の下落となりました。

 図表2 アルゼンチンの政策金利

3. 4-6月期成長率

他方、アルゼンチン国家統計局が9月19日に発表した年4-6月期GDP(国内総生産)は、前年同期比▲4.2%と、大幅なマイナス成長となりました (図表3参照)。 今年1-3月期の同+7.4%(速報ベース)から減速。通貨の下落とそれに伴う輸入物価の上昇で景気が悪化しており、19年にはマイナス成長に落ち込む可能性があります。

 図表3 アルゼンチン四期成長率(前年同期比)

3歴史的な旱魃の影響により農業が大打撃を受ける中、4月始まった通貨下落が製造業や省庁などの不振を引き起こし、追い打ちを掛けました。足下ではさらに通貨が下落しており、景気については、厳しい状況が継続すると予想されます。

平成30年9月23日 ロシア政府系ファンドアリババと提携 

おはようございます。ロシア系ファンドがアリババと提携しました。

1. ロシア政府系ファンドアリババと提携

ロシアの政府系ファンドのロシアン・ダイレクト・インベストメント・ファンド(RDIF)を中心に、携帯電話大手メガフォン、インターネット大手メール(mail.ru)などが連携して、中国インターネット大手アリババ・グループとロシアで大規模なオンラインショッピングサイトを構築するためのEコマース(電子商取引)サイトを立ち上げることとなりました。

ロシア国内の主要な消費者向けEコマースサイトを1つの大規模サイトに統合数る他、ソーシャル・ネットワーク・サービスなどのソーシャルメディアとEコマースを組み合わせたビジネスモデルであるソーシャルコマースを構築するとしています。

2. ロシアの株価の動き

一方、ロシアの株価の動きを見ておきましょう。代表的な株価指数の1つであるRTS指数は、14年から16年初めにかけて、大幅下落。その後は18年初めにかけて上昇。原油価格の回復が株価を後押し。その後は軟調な展開。

 図表1 RTS指数

米長期金利の上昇により、投資家は新興国から資金を引き上げて、ドル資産へと移動しています。ロシアの場合、欧米による経済制裁が継続しており、株価も上昇のきっかけをつかめない情勢。株価は当面、軟調な展開になることも措定できます。

平成30年9月22日 中国7月主要70都市新築住宅価格 

おはようございます。中国の7月主要70都市新築住宅価格では、前月比上昇が2都市増加しました。

1. 4-6月期GDP+6.7%

中国の国家統計局は7月16日に今年4-6期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比で+6.7%の伸びだと発表(図表1参照)。成長率は1-3月期から▲0.1%ポイントの減速。17年7-9月期以来3期ぶりの減速。インフラ投資が振るわず、消費も伸び悩みました。米国との貿易摩擦で今後輸出が減速する可能性があり、景気の先行きに不透明感が強まっています。

4-6月期の成長率は18年の政府目標である「+6.5%前後」を上回りました。また、市場予想の+6.7%とは一致。前期比では成長率は+1.8%と、1-3月の+1.4%からは加速。

 図表1 中国の四半期成長率(前年同期比)

2. 7月主要70都市新築住宅価格で前月比上昇2都市増加

一方、中国の国家統計局が8月15日に発表した18年7月の住宅価格統計によると、主要70都市のうち、新築分譲住宅価格(保障性住宅を除く)が前月比で上昇したのは65都市となり、前月に比べて2都市の増加。下落は前月から1都市減少の3都市。横這いは1都市減少して2都市。前年同月比では、上昇は前月から4都市増加の65都市、下落は前月から5都市減少の4都市。横這いは前月0から1都市となりました。

規模別では、「一線都市」(北京、上海、深セン、広州)の新築分譲住宅価格は、前年前月比で+0.2%。これに次ぐ規模の「二線都市」(31都市)は+7.3%の上昇で、上げ幅は前月から+0.1%ポイントの拡大。「三線都市」(35都市)は+6.7%の上昇で、上昇率は前月から+1.0%ポイントの拡大。一方、前月比ベースの上昇率は、一線都市が+0.2%(前月から▲0.43%ポイントの減速)、二線都市が+1.1%(同▲0.1%ポイント)、三線都市が+1.5%(同+0.8%ポイント加速)。

「二線都市」と「二線都市」のうち、不動産が活況な都市の計15都市について、前月比下落は前月と同じ2都市少ない2都市で、下落幅は最大で▲0.1%。前月比上昇は1都市増加の11都市となり、上昇幅は最大で+3.0%。横這いは1都市減少の2都市。前年同月比では、下落が3都市減少の4都市、上昇が3都市増加の11都市で、下落幅と上昇幅はそれぞれ最大で▲1.9%、+6.9%でした。

平成30年9月20日 中国8月PMI 

おはようございます。中国の8月製造業PMIは、予想を上回りしました。

1. 7月製造業PMIは予想上回る

中国の国家統計局が8月31日発表した8月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.3と、前月の51.2から上昇(図表1参照)。市場予想の51.0からも下振れ。業況の改善・悪化の境目となる50を、25か月連続で上回ったことになります。

統計局のチャオ・シンチュ氏は、8月のPMIは製造業が安定したペースで拡大を続けている状況を示していると説明。一方、貿易摩擦や外的な不確実性が輸出と輸入に打撃を与えているとしました。

 図表1 中国の造業購買担当者指数(PMI)

2. 非製造業PMIも上昇

一方、中国の国家統計局が同日発表した8月の非製造業購買担当者指数(PMI)は54.2。7月に記録した7か月ぶり低水準の54.0から上昇。

平成30年9月19日 米中貿易摩擦が継続 

おはようございます。米中の貿易摩擦が継続しています。

1. 米が第3弾を準備

米トランプ政権は近く、2000億ドル(約22兆円)相当の中国製品に対する第3弾の、制裁関税を発動する見通しとなりました。また、ウォール・ストリート・ジャーナルいよると、中国政府は16日に、27-28日開催予定のトランプ政権との貿易協議を断る可能性があると報道。

同紙によると、中国政府幹部は、「中国は頭に銃を突き付けられたまま交渉することはない」として、劉副首相の訪米も最終決定していないとしました。

トランプ政権は、知的財産権侵害を理由として、既に7、8月には、合計500億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課しました。

中国外務省の副報道局長は、「米国が新たな関税措置を実施すれば、中国も必要な反撃を取らざるをえない」としました。さらに「平等な立場での対話こそが貿易摩擦を解決する唯一の道だ」としました。

2. 中国の株価の動き

ここで、中国の株価の動きを見ておきましょう。代表的な株価指数の1つである上海総合指数は、15年に頂点をつけて、その後は低迷。人民元下落などにより、16年初めには、2331ポイントの安値を付けました。その後は、緩やかに回復したものの、米中貿易摩擦などにより、18年初めからは一貫して下落。14日には2263ポイントをつけて、16年に安値を更新しました。

 図表1 上海総合指数

3. アジアの株価が下落

一方、上海に加えて、インドネシア、シンガポールなどの株価も下落。上海は、年初から17日に至るまで、約40%下落し、インドネシア、シンガポールも同様に1割近くの下落となりました。

東南アジアをはじめとして、アジアの国は中国との貿易上の結びつきが強い国が多く、これらの国の景気悪化の一因となる可能性があります。アジア各国の株価下落の傾向は、今後も、続く可能性があります。

平成30年9月18日 原油価格が堅調 

おはようございます。NYの原油価格が堅調に推移しています。

1. 原油価格が堅調

原油価格が、このところ堅調に推移しています。米国によるイランへの制裁などにより、WTI(原油先物)価格は12日には、半月ぶりに1バレル=70ドル台を回復。その後は一旦反落したものの、1年前と比べると、約4割高い水準。

日米など先進国では、ガソリン価格が上昇。中国、インドなど原油輸入国にとっても深刻な問題となっています。世界的にインフレ圧力が高まっており、特に経常赤字、また財政赤字が校内総生産(GDP)比で高い新興国では特に、景気悪化の要因となる可能性があります。

 図表1 WTI(NY原油先物)

2. 新興国経済に影響か

原油価格の上昇は、ガソリン価格高騰につながり、先進国経済にとっても打撃となります。ただ、新興国は米国の長期金利上昇、トルコの米国との対立などの影響により、景気が悪化しつつある国が増加。原油価格の上昇により、新興国は先進国よりもより大きな打撃を受ける可能性があります。

原油価格上昇により、消費者が不満を持ち、政府への批判につながる可能性もあります。インドでは、インフレ率の上昇に対する庶民の不満が高まっており、野党はモディ政権を批判するデモを呼びかけ始めました。アルゼンチンでも、国際通貨基金(IMF)の支援を巡っては、反対の意見もあります。トルコも含め、新興国の経済は、当面、混乱が続く可能性があります。

平成30年9月17日 中国8月鉱工業生産と小売売上高 

おはようございます。中国8月の統計で、鉱工業生産の伸び率は予想を上回りました。

1. 鉱工業生産伸び率は予想上回る

中国の国家統計局が14日に発表した統計によると、年間売上高2000万元以上の企業の3月の鉱工業生産(付加価値ベース)は前年同月比+6.1%と、7月の+6.0%から加速。市場予想の+6.0%からも上振れ。

 図表1 中国の鉱工業生産(前年同月比)

2. 8月小売売上高は予想上回る

一方、中国の国家統計局は同日に、17年7月の小売売上高が、前年同期比+9.0%になったと発表(図表2参照)。7月の+8.8から伸び率が加速。市場予想の+8.8%からも上振れ。

 図表2 中国の小売売上高(前年同月比)

3. 1-8月固定資産投資は伸びが鈍化

他方、国家統計強による同日発表の18年1-8月の固定資産投資は、前年同期比+5.3%。伸び率は1-7月の+5.5%から減速。市場予想の+5.5%からも下振れ。

8月の指標をみると、景気減速が止まったようにも見えますが、猛暑と原油高の影響が大きいと言えます。生産のうち、好調であった発電量の伸びは+7.3%と、前月よりも+1.6%ポイント拡大。8月は猛暑により、過去最高の電力使用量を更新する市が相次ぎました。

さらに、米中の貿易戦争は、収まる気配がなく、輸出に対する影響が懸念されます。米中は7-8月には、互いに500億ドル分の製品に対して25%の関税を課すことにしました。関税の発動により、産業用ロボット伸びが減速しました

平成30年9月16日 ロシアが利上げ 

おはようございます。ロシアの中銀は、利上げしました。

1. 4-6月期GDP成長率は+1.9%に留まる

ロシア連邦統計局が9月10日発表した統計によると、4-6期国内総生産(GDP)は、前年同期比+1.9%にとどまりました。所得が伸びず、消費が低迷。欧米諸国の経済制裁の継続などにより、投資も伸び悩みました(図表1参照、速報値)。

6月開催のサッカーのワールドカップ・ロシア大会の関連消費の影響も限定的で、1-3月期の同+1.3%に続いて、+1%台の成長率にとどまりました。

8月には米国がロシアに対する新たな経済制裁を打ち出し、通貨ルーブルは一時対ドルで2年半ぶりの安値を付けました。トルコ・リラの下落などにより、新興国全般の通貨が対ドルで下落。新興国経済全般への警戒感が高まり、ロシアからも資金が流出しています。

 図表1 ロシアの四半期GDP成長率

2. インフレ率が加速

国家統計局から9月5日発表された8月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は+3.1%と、伸び率は前月の+2.5%から加速(図表2参照)。市場予想の+3.2%からは下振れ。

 図表2 ロシアの消費者物価指数前年同月比上昇率

3. 政策金利を引き上げ

一方、ロシア中央銀行は9月14日に政策決定会合を開き、主要政策金利である1週間物レポ入札最低金利を+0.25%ポイント引き上げ、7.50%にすることを決定(図表3参照)。利上げは、14年12月以来、3年9か月ぶり。

 図表3 ロシアの政策金利

トルコなどほかの新興国の通貨下落、また、米国等欧米諸国によるロシア制裁により、通貨ルーブルがこのところ下落しています。金利引き上げにより、通貨の下落を阻止し、通貨下落に伴う輸入物価、さらには物価の上昇を抑制するとの狙いがあります。

平成30年9月15日 トルコ大幅利上げ 

おはようございます。トルコの中銀は、大幅に利上げしました。

1. 8月CPI上昇率は+17.9%に加速

トルコ統計機構(TUIK)は9月3日に、8月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+17.9%の上昇になったと発表(図表1参照)。前月の+15.85%から大幅加速。

 図表1 トルコのCPI前年同月比上昇率

2. 政策金利を引き上げ

一方、トルコ中央銀行は9月13日の金融政策決定会合で、インフレ抑制と急激なリラ下落防止のために、主要政策金利である1週間物レポ金利を+6.25%ポイント引き上げて、24.0%としました。利上げ幅の市場予想は+3〜4%程度。想定を上回る利上げを受けて、発表前には1ドル=6.4リラ程度の取引でしたが、一時同6リラ前後まで急騰。

 図表2 トルコの政策金利

中銀は会合後に発表した声明文で、「物価安定のため、強力な金融引締め実施を決めた。引き続きすべての取り得る手段をとり続ける」と述べました。

通貨リラが昨年末比で▲40%以上の大幅下落となっているにもかかわらず、エルドアン大統領は、利上げに否定的な態度をとってきました。トルコと米国との外交関係の悪化は、米国人牧師の解放にトルコが応じていないことが一因。エルドアン氏としては、簡単に引き下がるわけにはいかず、リラの下落がこれで止まるかどうかは、予断を許しません。

  3. 4-6月期成長率

他方、トルコ統計局が9月10日に発表した年4-6月期GDP(国内総生産)は、前年同期比+5.2% (図表3参照)。今年1-3月期の同+7.4%(速報ベース)から減速。通貨の下落とそれに伴う輸入物価の上昇で景気が悪化しており、19年にはマイナス成長に落ち込む可能性があります。

 図表3 トルコ四期成長率(前年同期比)

当面の注目は、中央銀行が13日に開催する金融政策決定会合となります。中銀は、3日に声明で、利上げの可能性を示唆。これまで、利上げによる景気の悪化を嫌うエルドアン大統領への配慮から、6月7日の利上げ以降には利上げを見送ってきましたが、今回は利上げに踏み切ると予想されています。ただ、利上げの幅が市場の予想を下回った場合には、却って通貨や株式の一層の下落を招くことも考えられます。また、米国人牧師を巡る米国との外交関係の悪化も続いており、利上げしたとしても通貨が下げ止まるかどうかは、予断を許しません。

平成30年9月13日 ロシア中銀4-6月期成長率低迷 

おはようございます。ロシアの4-6月期成長率は、1.9%と低迷しました。

1. 4-6月期GDP成長率は+1.9%に留まる

ロシア連邦統計局が9月10日発表した統計によると、4-6期国内総生産(GDP)は、前年同期比+1.9%にとどまりました。所得が伸びず、消費が低迷。欧米諸国の経済制裁の継続などにより、投資も伸び悩みました(図表1参照、速報値)。

6月開催のサッカーのワールドカップ・ロシア大会の関連消費の影響も限定的で、1-3月期の同+1.3%に続いて、+1%台の成長率にとどまりました。

8月には米国がロシアに対する新たな経済制裁を打ち出し、通貨ルーブルは一時対ドルで2年半ぶりの安値を付けました。トルコ・リラの下落などにより、新興国全般の通貨が対ドルで下落。新興国経済全般への警戒感が高まり、ロシアからも資金が流出しています。

 図表1 ロシアの四半期GDP成長率

2. インフレ率が加速

国家統計局から9月5日発表された8月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は+3.1%と、伸び率は前月の+2.5%から加速(図表2参照)。市場予想の+3.2%からは下振れ。

 図表2 ロシアの消費者物価指数前年同月比上昇率

3. 政策金利を据え置き

一方、ロシア中央銀行は7月27日に政策決定会合を開き、主要政策金利である1週間物レポ入札最低金利を7.25%に据え置くことを決定(図表3参照)。資金吸収のための1週間物入札預金金利も据え置き。据え置きは大方の市場の予想通りで、3回連続。

 図表3 ロシアの政策金利

中銀は声明で、「税制措置がインフレ期待にどの程度大きな影響を及ぼすのか、また対外情勢がどのように進展するのか、先行き不透明感が強い」としました。金利据え置きを決定するにあたって、付加価値税(VAT)税率が、来年には18%から20%に引き上げられることを考慮に入れたと説明。中銀は、税率引き上げで今年既に上向いているインフレ率がさらに上昇する可能性があるとの見方を示しました。

平成30年9月12日 トルコ4-6月期+5.2%に減速 

おはようございます。トルコの4-6月期GDPは+5.2%に減速しました。

1. 5月CPI上昇率は+17.9%に加速

トルコ統計機構(TUIK)は9月3日に、8月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+17.9%の上昇になったと発表(図表1参照)。前月の+15.85%から大幅加速。

 図表1 トルコのCPI前年同月比上昇率

2. 政策金利を引き上げ

一方、トルコ中央銀行は6月7日の金融政策決定会合で、インフレ抑制と急激なリラ下落防止のために、主要政策金利である1週間物レポ金利を+1.25%ポイント引き上げて、17.75%としました。市場では大方利上げを予想していたものの、多くは+0.75%ポイントから+1.00%ポイントの予想であったため、大幅利上げは予想外。

トルコの実質的な政策金利をみなされるものは時期により異なっており、16年12月までは1週間物レポ金利、17年1月以降には後期流動性貸出金利、18年6月1日以降には1週間物レポ金利となっています(図表2は後期流動性貸出金利を表示)。

 図表2 トルコの政策金利

中銀は会合後に発表した声明文で、「国内経済はリバランス(内需から外需への是正)に向かっている。つまり、内需がさらに弱まる一方で、外需は力強い状況が続いている。物価上昇は様々な業種にいきわたってきた。需要の先行きは緩やかな見通しとなっているものの、高水準のインフレ率とインフレ期待が依然として企業の価格設定行動に対するリスクとなっている。そのため、中銀は物価安定のため、一段の金融引締めを決定した」として、インフレト通貨リラ下落に対して懸念を表明しました。

  3. 4-6月期成長率

他方、トルコ統計局が9月10日に発表した年4-6月期GDP(国内総生産)は、前年同期比+5.2% (図表3参照)。今年1-3月期の同+7.4%(速報ベース)から減速。通貨の下落とそれに伴う輸入物価の上昇で景気が悪化しており、19年にはマイナス成長に落ち込む可能性があります。

 図表3 トルコ四期成長率(前年同期比)

当面の注目は、中央銀行が13日に開催する金融政策決定会合となります。中銀は、3日に声明で、利上げの可能性を示唆。これまで、利上げによる景気の悪化を嫌うエルドアン大統領への配慮から、6月7日の利上げ以降には利上げを見送ってきましたが、今回は利上げに踏み切ると予想されています。ただ、利上げの幅が市場の予想を下回った場合には、却って通貨や株式の一層の下落を招くことも考えられます。また、米国人牧師を巡る米国との外交関係の悪化も続いており、利上げしたとしても通貨が下げ止まるかどうかは、予断を許しません。

平成30年9月11日 中国8月PPI上昇率が鈍化 

おはようございます。中国の8月PPIは、上昇率が鈍化しました。

1. 8月CPIは+2.3%で伸び率は加速

中国では国家統計局が10日に、8月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比+2.3%と発表。伸び率は前月から加速し、市場予想の+2.2%からも上振れ。2月以来の高水準。

 図表1 中国の消費者物価指数(CPI)前年同月比上昇率

2. PPIは+4.6%で前月から鈍化

一方、中国の国家統計局の同日の発表によると、8月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比+4.1%となり、前月の+4.6%から伸び率が鈍化。市場予想の+4.0%からは上振れ。前月比+0.4%と、7月の+0.1%から加速。中国経済の減速が続いていることを示唆しました。

ANZ銀行(香港)の中国担当上級エコノミストのベティ・ウォン氏は、PPIの前月比上昇率が加速してことについて、「第3四半期の鉱工業生産は低調であるものの、第4四半期にはインフラ支出拡大策などが関連鉱業製品価格をある程度下支えする可能性がある」と予想しました。

平成30年9月10日 中国8月ドル建て輸出予想下回る 

おはようございます。中国の8月ドル建て輸出は、予想を下回りました。

1. 4-6月期GDP+6.7%

まず、中国の景気を見ておきましょう。中国の国家統計局は7月16日に今年4-6期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比で+6.7%の伸びだと発表(図表1参照)。成長率は1-3月期から▲0.1%ポイントの減速。17年7-9月期以来3期ぶりの減速。インフラ投資が振るわず、消費も伸び悩みました。米国との貿易摩擦で今後輸出が減速する可能性があり、景気の先行きに不透明感が強まっています。

4-6月期の成長率は18年の政府目標である「+6.5%前後」を上回りました。また、市場予想の+6.7%とは一致。前期比では成長率は+1.8%と、1-3月の+1.4%からは加速。

 図表1 中国の四半期成長率(前年同期比)

2. 米ドル建て8月輸出・輸入が減速

一方、中国関税総署が8日に発表した18年月の英ドル建て貿易統計は、輸出と輸入がともに前月から減速。輸出が前年同月比+9.8%(前月は同+12.2%)と、市場予想の+10.1%を下回り、輸入は+20.0%(同+27.3%)と、市場予想の+18.7%を上回りました。貿易収支は279億1000万ドルの黒字で、市場予想の317億9000万ドルの黒字を下回りました。

同時に発表された8月の人民元建て貿易統計では、輸出が+3.0%(前月は+6.0%)、輸入は+6.0%(同+20.9%)と、ともに前月から減速。貿易収支は2608億9000万元の黒字と、前月の1769億6000万元の黒字から拡大。

平成30年9月9日 米8月雇用者数+20.1万人 



おはようございます。米国の8月の雇用統計で、雇用者数が+20.1万人の増加となりました。

1. 雇用者数が+20.1万人

米労働省は8月の雇用統計を7日に発表し、非農業部門の雇用者数増加は前月比+20.1万人(図表1参照)。雇用者数の増加は、市場予想の19万人を上回りました。失業率は前月から横ばいで3.9%。米連邦準備理事会(FRB)が中長期的に持続可能な水準とみている4.5%を下回っています。

時間あたり平均賃金は前年比で+2.9%の上昇と、2009年6月以来の高い伸びを記録。米国経済は今のところ、米中貿易摩擦の高まりの影響を免れているとの見方を裏付けました。

時間あたり平均賃金は前月比で+0.4%(10セント)。7月は+0.3%でした。賃金の伸びの加速は、労働市場の逼迫を示唆。賃金の伸びはる同市場にとって弱点となっていましたが、8月に宇和浮いたことにより、インフレ率が年内及び来年初旬にはFRBの目標である+2%近辺で推移するであろうとのエコノミストの予想と整合的です。

 図表1 NYダウと非農業部門雇用者数増加

2. FRBは月内利上げか

FRBは今月25-26日に、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催します。席者市場では、99%という高い確率でFOMCでの利上げを織り込んでいます。パウエル議長は8月下旬の弱ホール・ミーティングで、「力強い成長が続けば、更なる段階的な利上げが適切だ」としました。

懸念材料としては、米中貿易摩擦の他、新興国における急激な通貨の下落があります。アルゼンチン、トルコなどでは大幅な通貨の下落が起きており、アルゼンチンでは大幅利上げにも関わらず、通貨の下落が継続。経常赤字の大きいインドネシア、南アなど一部の国にも通貨の下落が波及しており、これらの国では、米国の利上げにより、通貨がさらに下落するリスクがあります。

平成30年9月8日 マレーシア中銀が金利維持 

おはようございます。マレーシアの中銀が政策金利を維持しました。

1. CPI上昇率は減速

マレーシア統計庁は8月24日に、7月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+0.9%になったと発表(図表1参照)。7月の同+0.8%からやや加速。市場予想の+0.9%に一致。

 図表1 マレーシアのCPI前年比上昇率

2. 4-6月期GDPは+4.5%

マレーシア中央銀行は8月17日に、同国の4-6月期国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比+4.5%であったと発表(図表2)。前期の同+5.4%から減速。成長率が+5%を下回ったのは16年10-12月期の+4.5%以来6四半期ぶり。

GDPの5割を占めるサービス行は+6.5%の伸びとなったものの、農業が天候不順の影響などで+2.5%、資源などの採掘が+2.2%と低迷しました。

 図表2 マレーシアの四半期成長率(前年同期比)

3. 政策金利を据え置き

一方、マレーシア中央銀行は9月5日の金融政策決定会合で、市場の予想通り、政策金利である翌日物政策金利(OPO)を3.25%に据え置くことを決定。

中銀は、16年7月会合で景気刺激のために政策金利を+0.25%ポイント引き下げた後、同9月会合から17年11月会合迄8会合連続で金利を据え置き3月会合では政策金利をすえおき、今回で現状維持は24合連続。

7月のインフレ率が+0.9%となっており、中銀は会合とに発表した声明で、インフレ見通しについて、「国内物価要因に対する最近の政策効果を考慮すると、今後、インフレ率は19年にかけてやや加速すると指摘。前回7月会合時に使用された文言である「18年全体のインフレ率は予想を下回る低水準となる」や「全体のインフレ率は19年上期には一時的に数か月間、前年水準を下回ってマイナスとなり、低い水準が続く可能性が高い」削除し、インフレ圧力が高まるとの見方に変わりました。

 図表3 マレーシアの政策金利

一方、景気の見通しについては、全会合時と同様に、「全体的にマレーシア経済は堅調な伸びが持続すると予測される」としました。ただ、「貿易摩擦の深刻化や長引く鉱業と農業のセクターの低迷、さらには国内政策の不透明感から、中期的ンは景気下振れリスクに直面している」とし、初めて景気リスクについて述べました。

平成30年9月6日 南ア4-6月期GDP▲0.7%成長 

おはようございます。南アフリカの4-6月期GDPは、▲0.7%と停滞しました。

1. 7月CPI上昇率は+5.1%に加速

南アフリカ統計局は8月22日に、7月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+5.1%の上昇になったと発表(図表1参照)。前月の+4.6%から伸び率が加速し、市場予想の+5.0%からも上振れ。

 図表1 南アフリカのCPI前年同月比上昇率

2. 政策金利を据え置き

南アフリカ準備銀行(中央銀行)は7月19日開催の金融政策決定会合で、政策金利であるレポレートを6.5%に据え置くことを決定(図表2参照)。据え置きはほぼ市場の予想通り。GDP成長率見通しは18年を+1.7%から+1.2%に、19年を+1.9%から+1.7%へと引き下げ。インフレ率見通しは、18年を+4.9%から+4.8%に、k19年を+5.2%から+5.6%へと引き上げました。また、貿易戦争によって、南アフリカは苦しむとしました。

 図表2 南アフリカの政策金利

3. 4-6月期は▲0.7%に停滞込む

一方、南アフリカ政府統計局は9月4日に、4?6月期国内総生産(GDP)が前期比年率季節調整済みで▲0.7%になったと発表(図表3)。2四半期連続のマイナス成長となり、景気後退局面入りが確認されました。主要産業の農業や運輸が落ち込み、家計最終消費支出も減少。通貨ランドも下落。

 図表3 南アフリカの四半期成長率(前期比年率)

1-3月期のマイナス成長に大きく影響したのは、農業部門の不調。農業は▲29.2%と、2四半期連続で2桁のマイナス成長。運輸は▲4.9%。17年1-3月期以来、5四半期ぶりのマイナス成長。製造業が低迷し、陸路や回路での人や物の動きが低調であったことが影響しました。

2四半期連続のマイナス成長を受けて、通貨ランドは対ドルで下落。前日3日には1ドルが14ランド前半での取引でしたが、GDPの発表を受けて、同15ランド前半まで下落。南アは17年において経常赤字がGDP比▲2.2%と、通貨が売られやすい状況にあります。

平成30年9月5日 タイ中銀総裁が利上げを示唆 

おはようございます。タイの中銀総裁が、利上げを示唆しました。

1. タイの中銀総裁が、利上げを示唆

タイ中銀のウィラタイ・サンティブラポップ総裁は29日の講演において、政策金利の引き下げの必要性を示唆。

現在の政策金利は15年4月から過去最低の水準に近い1.50%に据え置かれています。世界的な金融危機が発生した09年の過去最低の1.25%に近い水準であり、同総裁は「今後、予想できない経済状況の悪化に直面した場合、(現在の金利水準では)金融政策の余地が限られる」とし、「今後、金融政策の調整鏡面を構築することが慎重に検討されるべきである」と述べました。

2. 4-6月期成長率+4.6%に鈍化

タイ国家経済社会開発庁(NESDB)は8月20日に、4-6月期の国民総生産(GDP)成長率が前年同期比+4.6%になったと発表。4-6月期の+4.9%(当初発表の+4.8%から上方修正)から減速。市場予想の+4.5%から上振れ。前期比では季節調整済みで+1.0%と、1-3月期の+2.1%(当初発表の+2.0%から上方修正)からは減速。

国内消費は好調。輸出(サービス含む)も+6.4%で、1-3月期の+6%をうわまわりました。ものの輸出は+7.4%。観光は減速。

停滞していた民間最終消費は+4.5%で、21四半期ぶりの大きな伸び。1-3月期は+3.7%。農産物価格の上昇や、前政権の推奨策で購入された自動車の買い替え需要が伸びたことなどが要因。

 図表1 タイの四半期成長率(前年同期比)

3. CPI伸び率は横這い

一方、タイ商業省は8月3日に、8月の消費者物価指数(CPI)上昇率が、前年同月比+1.62%であったと発表(図表2参照)。前月の同+1.46%から加速。市場予想の+1.54%からも下振れ。

 図表2 タイのCPI(前年同月比)

4. 政策金利を維持

一方、タイ中央銀行は8月8日の金融政策決定会合で、市場予想通り、政策金利の1日物レポ金利を1.5%に維持することを全会一致で決定(図表2参照)。中銀は15年4月会合まで2会合連続で利下げし、その後は同6月より据え置きに転じました。タイ経済は、輸出主導で回復を継続しているものの、個人消費にはなお弱さがのこっています。中国との貿易戦争を引き起こしている米国の貿易政策が懸念であるとの見解も示唆。

東南アジアではインドネシアやフィリピンの中銀が相次いで利上げに踏み切ったが、タイは15年4月の利下げ(0.25%)を最後に、3年以上も政策金利を変えていない。国内総生産(GDP)の約1割に相当する経常黒字が通貨バーツを下支えしており、タイ中銀が通貨防衛を意識する状況にはなっていない。

 図表3 タイの政策金利

東南アジアでは、インドネシアやフィリピンの中銀が相次いで利上げを行って物の、タイは15年4月の利下げ(▲0.25%)を最後として、3年以上も政策金利を維持。国内総生産(GDP)の約1割に相当する経常黒字が通貨バーツを支えており、中銀は通貨の貿易を意識する必要もない状況であると言えます。

平成30年9月4日 ASEAN経済相会議を開催 

おはようございます。ASEAN経済相会議は、1日にシンガポールで終了しました。

1. ASEAN経済相会議を開催

東南アジア諸国連合(ASEAN)は1日に、シンガポールで開催していた経済相関連会合を終了し、自由貿易推進の姿勢を鮮明にしました。年内妥結を目指す東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と共に、各国との自由貿易協定(FTA)の改善方針を確認しました。

議長を務めたシンガポールのチャン・チュンシン貿易産業相は1日の記者会見で、「ASEANをはじめとするRCEP参加国は、ルールに基づく多国間の貿易協定こそ、世界経済の課題を克服する最もよい方法だと信じている」としました。

2. マレーシアの株価の動き

ここで、マレーシアの株価の動きを見ておきましょう。代表的な株価指数の1つであるFTSEブルサマレーシアKLCI指数は、15年に大幅下落。16年にはほぼ横這いとなり、17年には大幅に上昇。株価の上昇は、国内の景気の好調などを反映しました。

 図表1 FTSEブルサマレーシアKLCI指数

18年に入ってからは大きく下落。米国の長期金利の上昇と、トルコなど一部申告国の通貨の下落の影響を受けました。

トルコ、ある全治などでは、通貨が大幅に下落。南ア、ブラジルなど、経常赤字および財政赤字が大きい国は、通貨が連れ安して下落しています。マレーシアの株化も当面、軟調な展開になることも考えられます。

平成30年9月3日 ブラジル4-6月期+1.0%成長 

おはようございます。ブラジルの4-6月期は、+1.0%に減速しました。

1. 政策金利を据え置き

ブラジル中央銀行は8月1日の金融政策委員会で、政策金利を6.5%に据え置くことを決定(図表1参照)。据え置きは3会合連続。通貨レアルは、米国の利上げにより対ドルで下落していたものの、足下では値を戻しており、金利を据え置きました。一方、声明で貿易戦争に対する懸念を新たに盛り込むなど、米政権の仕掛ける貿易戦争に対する警戒感を示唆しました。

中銀は声明で、ブラジル経済に関するリスク要因として、「先進国の金利正常化と国際貿易の不確実性」であるとしました。

米国の利上げや10月に予定されているブラジル大統領選の不透明感が嫌気され、通貨レアルは一時1ドル=3.9レアルを記録するなど売られたものの、足下では、1ドル=3.7レアル台へと持ち直しています。

 図表1 ブラジルの政策金利

2. インフレ率が低水準を維持

一方、インフレ率は、比較的低水準を維持しています。ブラジル地理統計院は8月8日に、7月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)が、前年同月比+4.48%になったと発表(図表3参照)。市場予想の+4.4%を上回り、前月の同+4.39%から加速。

 図表2 ブラジルの消費者物価指数(IPCA)

3.  4-6月期GDPは+1.0%に減速

他方、ブラジル地理統計院は8月31日に、4-6月期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比+1.0%であったと発表(図表3参照)。今年1-3月期の+1.2%から減速。前期比では+0.2%で、前期の同+0.4%から減速。

5月に起きたトラック運転手によるストライキも、景気の下押し要因となりました。政府はスト解決のために、トラック運賃の大幅な値上げ要因となる「公定最低運賃」を導入しました。物流コストの上昇が景気回復の妨げとなる可能性もあります。

 図表3 ブラジルの四半期成長率(前年同期比)

5月下旬のトラック運転手による大規模なストライキは、燃料価格の高騰に対する抗議として、1週間以上にわたり全国の物流網を麻痺させました。特に農業に打撃を与え、農畜産物の輸出が一時的に落ち込みました。

ストの影響は今後も続く可能性が高いとみられます。テメル大統領は、8月9日に、トラック輸送の料金の下限を決める公定最低運賃を導入する大統領制に署名。景気の動向が、10月の大統領選の混戦に拍車をかけることも考えられます。

平成30年9月2日 インド4-6月期+8.2%成長 

おはようございます。インド4-6月期は、+8.2%成長に加速しました。

1. 消費者物価指数上昇率が減速

まず、インド統計局が8月13日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+4.17%(図表1参照)。前月の+4.92%から減速。市場予想の+4.512%からも下振れ。

 図表1 インドの消費者物価指数前年同月比上昇率

2. 4-6月期成長率+8.2%に加速

続いて、インド統計局が8月31日に発表した4-6月期成長率は、前年同期比+8.2%(図表2参照)。2年ぶりに+8%台に回復。+7.4〜+7.7%程度の市場予想を上回りました。ただ、通貨下落が、輸入物価を押し上げる懸念があります。モディ政権とっては、来年4-5月の総選挙を控え、高い成長率を維持できるかどうかが焦点となります。

4-6月期には、個人消費と国及び民間の設備投資が牽引役となりました。消費は前年同期比+9%と、6四半期ぶりの高い伸び。投資は同+10%と、2四半期ぶりの2桁の伸び。17年4-6月期には新税制導入前で、商取引や設備投資が停滞し、その反動で18年4-6月期には大きく伸びました。

 図表2 インドの四半期成長率(前年同期比)

3. 政策金利を引き上げ

他方、インド準備銀行(中央銀行、RBI)は8月1日開催の金融政策決定会合で、政策金利のレポレートを+0.25%ポイント引き上げて6.50することを決定(図表3参照)。6人の政策委員のうち5人が引き上げに賛成。利上げは市場の予想通り。利上げは2会合連続。

RBIは17年8月会合で主要政策金利を16年10月以来10か月ぶりに+0.25%ポイント利上げし、市中銀行が資金逼迫時にRBIから政府債を担保に借りることができるMSF金利も同じく+0.25%ポイント利上げし6.75%としました。

 図表3 インドの政策金利

RBIは会合後に発表した声明文で、前回会合時と同様に、「今回の利上げ決定は、中立の金融政策スタンスと調和するもので、経済成長を支えながらCPI(消費者物価指数)で見たインフレ率の中期の物価目標である+4%±2%を達成するという我々の目的と合致する」として、小幅利上げにもかかわらず、金融は引き締めや緩和のどちらでもないとの認識を示唆。この中立姿勢は、インフレ動向次第で将来の利上げ、または利下げに含みを持たせることを示唆しています。

平成30年9月1日 アルゼンチン・ペソが下落 

おはようございます。アルゼンチン・ペソが下落しています。

1. アルゼンチンが利上げ

アルゼンチン中央銀行は30日に、主要政策金利を45%から60%へと大幅引き上げ。31%を超えているインフレ率を抑制すると同時に、自国通貨ペソの一段の下落を阻止したいとの意図があります。ただ、ペソはぞくらくし、この日の取引では、一時▲20%下落し、終値ベースで、最安値を更新。



 図表1 アルゼンチン・ペソ(対ドル)

2. 新興国通貨の下落が継続

トルコの通貨リラの下落による、新興国通貨の下落が継続。アルゼンチ・ペソのほか、南ア・ランド、ブラジル・レアルなどが、引き続き下落。新興国の通貨は、全面安の状況を呈しています。

トルコでは、中銀のキリジミ副総裁が辞任。これにより、トルコ・リラの下落が加速。エルドアン大統領は29日の演説で、「脅しに対して譲歩するのは不可能だ」を述べました。大全改善の目途は立っておらず、リラは引き続き下落する可能性があります。

平成30年8月30日 大手格付け機関がトルコを格下げ 

おはようございます。大手格付け機関が、トルコを格下げしました。

1. 大手格付け機関がトルコを格下げ

米大手格付け機関であるS&Pグローバル・レーティングスとムーディーズ・インベスターズは17日に、通貨危機に見舞われているトルコのソブリン格付けを既にジャンク級(被投資適格)からさらに引き下げました。

S&Pはトルコの外貨建て長期ソブリン債格付けを、従来の「BBマイナス」から1段階引き下げ、「Bプラス」に、さらに自国通貨建て長期ソブリン債格付けも「BB」から1段階引き下げて「BBマイナス」へと、それぞれ引き下げました。但し、格付けについての見通しは「安定的」を維持。

大手格付け機関であるムーディーズも17日に、同ソブリン債を「Ba2」から「Ba3」に1段階引き下げ。格付けの見通しについても、「安定的」から「ネガティブ」に引き下げ。

格下げを受けて、リラは1ドル=6.025リラと、前日のニューヨーク終値の5.824リラから急落。

 図表1 トルコ・リラの対ドルレート(TRY/USD)

米トランプ大統領は、2016年のクーデター未遂事件に関与したとして拘束されている、米国人の牧師の釈放を求めています。1日以降には、トルコの2閣僚に対して、金融制裁を科して圧力を高めています。

エルドアン大統領は米国人の牧師の釈放を拒否。同氏は演説で「政治的主権を放棄しろというのか」延べ、国際通貨基金(IMF)による支援も拒否。米国とトルコが互いに強硬姿勢を継続する可能性が高く、通貨、またひいては株式市場の混乱が続くことになりそうです。

トルコ中銀は13日以降に、主要な政策金利である1週間物レポ金利(17.75%)を通じた資金供給を割高な翌日物貸出金利(19.25%)に切り替えました。実質的な引締め委政策であり、市場では「裏口利上げ」との揶揄もあります。

このままリラの下落に歯止めがかかるかどうかは、予断を許しません。トランプ大統領、エルドアン大統領共に強硬な姿勢をとり続ける可能性が高く、両者の妥協は難しい状況であると言えます。

平成29年8月29日 南ア・ランド下落 

おはようございます。南アフリカの通貨ランドが下落しました。

1. 7月CPI上昇率は+5.1%に加速

南アフリカ統計局は8月22日に、1月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+4.4%の上昇になったと発表(図表1参照)。前月の+4.7%から伸び率が鈍化し、市場予想の+4.5%からも下振れ。

 図表1 南アフリカのCPI前年同月比上昇率

2. 政策金利を据え置き

南アフリカ準備銀行(中央銀行)は7月19日開催の金融政策決定会合で、政策金利であるレポレートを6.5%に据え置くことを決定(図表2参照)。据え置きはほぼ市場の予想通り。GDP成長率見通しは18年を+1.7%から+1.2%に、19年を+1.9%から+1.7%へと引き下げ。インフレ率見通しは、18年を+4.9%から+4.8%に、k19年を+5.2%から+5.6%へと引き上げました。また、貿易戦争によって、南アフリカは苦しむとしました。

 図表2 南アフリカの政策金利

3. 1-3月期は▲2.2%に落ち込む

一方、南アフリカ政府統計局は6月5日に、1?3月期国内総生産(GDP)が前期比年率季節調整済みで▲2.2%になったと発表(図表3)。昨年10-12月期の+3.1%から、2009年1-3月期以来の大幅な落ち込みとなり、4四半期ぶりのマイナス成長。

 図表3 南アフリカの四半期成長率(前期比年率)

主要産業の鉱業や農業の減速がマイナス要因となりました。主要な輸出産業である鉱業が▲9.9%減少となし、2四半期連続でマイナス成長。主力商品である金とプラチナはいずれも生産量が伸びず、鉱山の老朽化あるいはストライキによる影響を受けました。

4. ランドの動き

ここで、通貨ランドの動きを見ておきましょう。ランドは昨年末には1ドル=12.37ランド程度の取引でしたが、8月13日には同14.67ランドまで大幅に下落。27日現在で、同14.30ランド程度まで戻しています。

 図表4 ランドの対ドルレート(ZAR/USD)

トルコ・リラが昨年末以来大幅に下落。ランドも、ブラジル・レアルなどと主に、トルコ・リラに連れ安する形で、対ドルレートが変動しています。また、インド・ルピーも27日現在で昨年末以来▲8.5%の下落となっており、新興国通貨の軟調な相場が継続しています。

平成29年8月28日 中国1-7月工業企業利益 

おはようございます。中国の1-7月工業企業利益は、1-6月期から減速しました。

1. 4-6月期GDP+6.7%

まず、中国の景気を見ておきましょう。中国の国家統計局は7月16日に今年4-6期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比で+6.7%の伸びだと発表(図表1参照)。成長率は1-3月期から▲0.1%ポイントの減速。17年7-9月期以来3期ぶりの減速。インフラ投資が振るわず、消費も伸び悩みました。米国との貿易摩擦で今後輸出が減速する可能性があり、景気の先行きに不透明感が強まっています。

4-6月期の成長率は18年の政府目標である「+6.5%前後」を上回りました。また、市場予想の+6.7%とは一致。前期比では成長率は+1.8%と、1-3月の+1.4%からは加速。

 図表1 中国の四半期成長率(前年同期比)

2. 1-7月期工業企業利益が減速

一方、中国の国家統計局が8月27日に発表した統計によると、18年1-7月期の工業企業(年間売上高2000万元以上の企業)の税引き前利益は、前年同期比+17.1%の3兆9038億1000万元に上りました。伸び率は1-6月期から▲0.1%ポイントの減速。売上高は、同+9.9%の60兆5000億元。

調査対象の41業種のうち、32業種が増益で、9業種が減益。業種別では、石炭採掘・選炭が+18.0%、石油・天然ガス細工具が5.5倍、農林水産加工食品が+1.4%、紡績が+0.2%、石油精製・コークス用炭・コク燃料加工が+36.1%、化学原料科学製品製造が+29.2%、非金属鉱物製品が+45.2%など。

7月単月の税引き前利益は前年同月比+16.2%の5151億2000万元。伸び率は6月の+20.0%から▲3.8%ポイントの減速。

平成30年8月27日 トルコ観光産業リラ安で潤う 

おはようございます。トルコの観光産業がリラ安で潤っています。

1. 買い物客も増加

トルコ政府によると、18年1-6月期のトルコ入国者は、前年同期比+29%の約1900万人。そのうち、8割以上が外国人で、残りが海外在住のトルコ人。観光収入もほぼ同率の大幅増加で110億ドル(約1.2兆円)となりました。さらに、トルコ人もリラ安で割高となった海外旅行を中止して、夏休みを国内に変更するものも増加している模様。

トルコの観光産業は、16年のクーデター未遂事件や爆弾テロ事件により、多くの国民が犠牲となったことで低迷していましたが、最近はテロ事件、政治的な混乱も収まり、治安が改善しています。

このような状況で、通貨リラの下落に伴い、再び観光がブームとなっています。トルコ政府も観光産業を支店するために、チャーター機の費用の一部を負担する補助金制度の導入、中国観光客の誘致にも力を入れています。

  2. トルコ・リラの動き

ここで、トルコ・リラの動きを見ておきましょう。リラは昨年末には1ドル=3.79リラ程度の取引でしたが、8月13日には同6.97リラまで大幅に下落。26日現在で、同6.01リラ程度まで戻しています。

 図表1 トルコ・リラの対ドルレート(TRY/USD)

米トランプ大統領は、2016年のクーデター未遂事件に関与したとして拘束されている、米国人の牧師の釈放を求めています。1日以降には、トルコの2閣僚に対して、金融制裁を科して圧力を高めています。

エルドアン大統領は米国人の牧師の釈放を拒否。同氏は演説で「政治的主権を放棄しろというのか」延べ、国際通貨基金(IMF)による支援も拒否。米国とトルコが互いに強硬姿勢を継続する可能性が高く、通貨、またひいては株式市場の混乱が続くことになりそうです。

トルコ中銀は13日以降に、主要な政策金利である1週間物レポ金利(17.75%)を通じた資金供給を割高な翌日物貸出金利(19.25%)に切り替えました。実質的な引締め委政策であり、市場では「裏口利上げ」との揶揄もあります。

このままリラの下落に歯止めがかかるかどうかは、予断を許しません。トランプ大統領、エルドアン大統領共に強硬な姿勢をとり続ける可能性が高く、両者の妥協は難しい状況であると言えます。

平成30年8月26日 サウジアラムコ上場中止 

おはようございます。サウジアラムコの上場が、中止されました。

1. サウジアラムコ上場中止

サウジアラビアが、国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)経過国の中止を決定したことが、22日に複数の関係者の話により明らかになりました。県警筋によると、IPOは国内、海外とも中止が決定したとしています。

関係筋によると、アラムコは石油化学大手サウジアラビア季語産業公社(SABIC)2010.SEの過半数株式の取得を目指しており、これに注力するためにIPOに向け準備を進めていたファイナンシャルアドバイザーのチームが解散されました。

サウジアラビアの関係筋は、「IPOの中止はしばらく前に決定された。ただ、だれもこれについて明らかにすることはできないため、先ず延期が発表され、その後に中止が発表される」としています。

2. サウジアラビアの株価の動き

ここで、サウジアラビアの株価の動きを見ておきましょう。代表的な株価指数の1つであるタダウル指数は、2014年半ば以降に一貫して下落。16年半ば以降には、緩やかに上昇。原油価格の下落、その後の反発が影響しているとみられます。

 図表1 サウジアラビア・タダウル指数

サウジアラビアの株価は、直近では、下落。サウジアラムコの上場中止が影響しているとみられます。米国とイランとの緊張の高まりにより、原油価格が高止まりする可能性があります。ただ、サウジアラムコの上場中止により、サウジアラビアの株価は、当面、下値を模索することも考えられます。

平成30年8月25日 マレーシア4-6月期+4.5%に減速 

おはようございます。マレーシアの4-6月期成長率は、+4.5%に減速しました。

1. CPI上昇率は減速

マレーシア統計庁は8月24日に、7月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+0.9%になったと発表(図表1参照)。7月の同+0.8%からやや加速。市場予想の+0.9%に一致。

 図表1 マレーシアのCPI前年比上昇率

2. 4-6月期GDPは+4.5%

マレーシア中央銀行は8月17日に、同国の4-6月期国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比+4.5%であったと発表(図表2)。前期の同+5.4%から減速。成長率が+5%を下回ったのは16年10-12月期の+4.5%以来6四半期ぶり。

GDPの5割を占めるサービス行は+6.5%の伸びとなったものの、農業が天候不順の影響などで+2.5%、資源などの採掘が+2.2%と低迷しました。

 図表2 マレーシアの四半期成長率(前年同期比)

3. 政策金利を据え置き

一方、マレーシア中央銀行は5月10日の金融政策決定会合で、市場の予想通り、政策金利である翌日物政策金利(OPO)を3.25%にすることを決定。

中銀は、16年7月会合で景気刺激のために政策金利を+0.25%ポイント引き下げた後、同9月会合から17年11月会合迄8会合連続で金利を据え置き。前回3月会合では政策金利をすえおき、今回で現状維持は2会合連続。

 図表3 マレーシアの政策金利

中銀は会合後に発表した声明文で、インフレ見通しについて「リンギット(マレーシアの通貨)相場が17年よりも上昇することで輸入物価が抑制され、18年のインフレ率は全体的に緩やかになると思われる」として、前回会合時点と同様、インフレ懸念が緩和していることを示唆。

利上げを決定した1月会合では、「超低金利の状態が長期にわたって続くことによって生じかねない(景気やインフレの見通し日亜する)リスクが高まるのを予防することが、金融政策の姿勢として適切である」として、インフレ懸念を強めていました。

平成30年8月23日 ベネズエラがデノミ 

おはようございます。ベネズエラが通貨の価値を切り下げました。

1. 通貨を10万分の1に切り下げ

南米ベネズエラ政府は20日に、通貨の単位を5桁切り下げるデノミネーション(通貨単位の切り下げ)を実施。インフレの上昇に対する苦肉の策ですが、マドゥロ大統領は最低賃金を約35倍引き上げるとも発表。場当たり的な政策で、更なる混乱が予想されます。

「我々は大きく勝利し、経済の回復と成長、繁栄のための他派と立てる」。マドゥロ氏は19日に、デノミの成功に対して自信を示しました。準備不足のためにデノミは2回延期しましたが、今回は20日を休日として、送金やカードの決済など金融システムを全国的に一時停止しました。

 写真1 ベネズエラ・マドゥロ大統領

2. 通貨安が継続

一方、ベネズエラ政府が5桁の通貨切り下げを行ったものの、その後も通貨は引き続き下落。21日午後5時の時点で、新通貨ボリバルソベラノ(Bs)の市中レートは、対ドルで▲9%の下落。仮想通貨とのペッグ制(連動性)で通貨危機の克服を測ろうとするマドゥロ大統領目論見は外れました。

新紙幣は、未だに市民に行きわたっていません。21日時点で、多くのATMでは10Bs札(約17円)までしか引き出せず、引き出し上限が設定されている模様。高額紙幣を購入できる国民も限られています。

野党支持者は21日に、マドゥロ政権に対するゼネストを実施。政府がゼネストに参加しないよう、締め付けたにも関わらず、首都のカラカスでは、6割近い商店が閉鎖しました。

平成30年8月22日 タイ4-6月期+4.6%成長 

おはようございます。タイの4-6月期GDP成長率は、+4.6%でした。

1. 4-6月期成長率+4.6%に鈍化

タイ国家経済社会開発庁(NESDB)は8月20日に、4-6月期の国民総生産(GDP)成長率が前年同期比+4.6%になったと発表。4-6月期の+4.9%(当初発表の+4.8%から上方修正)から減速。市場予想の+4.5%から上振れ。前期比では季節調整済みで+1.0%と、1-3月期の+2.1%(当初発表の+2.0%から上方修正)からは減速。

国内消費は好調。輸出(サービス含む)も+6.4%で、1-3月期の+6%をうわまわりました。ものの輸出は+7.4%。観光は減速。

停滞していた民間最終消費は+4.5%で、21四半期ぶりの大きな伸び。1-3月期は+3.7%。農産物価格の上昇や、前政権の推奨策で購入された自動車の買い替え需要が伸びたことなどが要因。

 図表1 タイの四半期成長率(前年同期比)

2. CPI伸び率は横這い

一方、タイ商業省は8月1日に、7月の消費者物価指数(CPI)上昇率が、前年同月比+1.46%であったと発表(図表2参照)。前月の同+1.38%から加速。市場予想の+1.46%に一致。

 図表2 タイのCPI(前年同月比)

3. 政策金利を維持

一方、タイ中央銀行は8月8日の金融政策決定会合で、市場予想通り、政策金利の1日物レポ金利を1.5%に維持することを全会一致で決定(図表2参照)。中銀は15年4月会合まで2会合連続で利下げし、その後は同6月より据え置きに転じました。タイ経済は、輸出主導で回復を継続しているものの、個人消費にはなお弱さがのこっています。中国との貿易戦争を引き起こしている米国の貿易政策が懸念であるとの見解も示唆。

東南アジアではインドネシアやフィリピンの中銀が相次いで利上げに踏み切ったが、タイは15年4月の利下げ(0.25%)を最後に、3年以上も政策金利を変えていない。国内総生産(GDP)の約1割に相当する経常黒字が通貨バーツを下支えしており、タイ中銀が通貨防衛を意識する状況にはなっていない。

 図表3 タイの政策金利

東南アジアでは、インドネシアやフィリピンの中銀が相次いで利上げを行って物の、タイは15年4月の利下げ(▲0.25%)を最後として、3年以上も政策金利を維持。国内総生産(GDP)の約1割に相当する経常黒字が通貨バーツを支えており、中銀は通貨の貿易を意識する必要もない状況であると言えます。

平成29年8月21日 中国7月主要70都市新築住宅価格 

おはようございます。中国の7月主要70都市新築住宅価格では、前月比上昇が2都市増加しました。

1. 4-6月期GDP+6.7%

中国の国家統計局は7月16日に今年4-6期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比で+6.7%の伸びだと発表(図表1参照)。成長率は1-3月期から▲0.1%ポイントの減速。17年7-9月期以来3期ぶりの減速。インフラ投資が振るわず、消費も伸び悩みました。米国との貿易摩擦で今後輸出が減速する可能性があり、景気の先行きに不透明感が強まっています。

4-6月期の成長率は18年の政府目標である「+6.5%前後」を上回りました。また、市場予想の+6.7%とは一致。前期比では成長率は+1.8%と、1-3月の+1.4%からは加速。

 図表1 中国の四半期成長率(前年同期比)

2. 7月主要70都市新築住宅価格で前月比上昇2都市増加

一方、中国の国家統計局が8月15日に発表した18年7月の住宅価格統計によると、主要70都市のうち、新築分譲住宅価格(保障性住宅を除く)が前月比で上昇したのは65都市となり、前月に比べて2都市の増加。下落は前月から1都市減少の3都市。横這いは1都市減少して2都市。前年同月比では、上昇は前月から4都市増加の65都市、下落は前月から5都市減少の4都市。横這いは前月0から1都市となりました。

規模別では、「一線都市」(北京、上海、深セン、広州)の新築分譲住宅価格は、前年前月比で+0.2%。これに次ぐ規模の「二線都市」(31都市)は+7.3%の上昇で、上げ幅は前月から+0.1%ポイントの拡大。「三線都市」(35都市)は+6.7%の上昇で、上昇率は前月から+1.0%ポイントの拡大。一方、前月比ベースの上昇率は、一線都市が+0.2%(前月から▲0.43%ポイントの減速)、二線都市が+1.1%(同▲0.1%ポイント)、三線都市が+1.5%(同+0.8%ポイント加速)。

「二線都市」と「二線都市」のうち、不動産が活況な都市の計15都市について、前月比下落は前月と同じ2都市少ない2都市で、下落幅は最大で▲0.1%。前月比上昇は1都市増加の11都市となり、上昇幅は最大で+3.0%。横這いは1都市減少の2都市。前年同月比では、下落が3都市減少の4都市、上昇が3都市増加の11都市で、下落幅と上昇幅はそれぞれ最大で▲1.9%、+6.9%でした。

平成29年8月20日 メキシコ新大統領12月に就任 

おはようございます。7月の大統領選に勝利したロペス・オブラドール元メキシコ市長が、12月に大統領に就任することが正式に決まりました。

1.  ポピュリズム的傾向

7月の大統領選では地滑り的な勝利を収めたロペス・オブラドール氏は、国民の既存の政治に対する受け皿となりました。汚職撲滅などポピュリズム(大衆迎合主義)的な政策を掲げているものの、公約の実現は容易ではないとみられます。

同氏は8日に、連邦選挙裁判所(TEPJF)から当選証書を受取り、正式に次期大統領への就任が決まり、「選挙期間中の公約はすべて実現する。決して期待に背くことはない」と述べました。

 写真1 ロペス・オブラドール氏

2. 財政への影響も

12月の新政権発足に向けて、同氏は既に新たな政策を公表しています。若者への奨学金の給付、雇用促進のために企業への研修制度の創設などを打ち出しています。年金の増額、発達の遅れている南東部を中心とした鉄道、道路などインフラの整備も打ち出しています。

いずれも選挙期間中の公約に沿った内容。新政権が連邦両院議会も過半数を占めているため、十分な審議を経ないまま可決される懸念もあります。インフラ投資については、採算に疑問があるものも多く、また、財政規律が緩む恐れもあります。

平成29年8月19日 パキスタン首相にカーン氏 

おはようございます。7月のパキスタン総選挙で勝利したパキスタン正義運動(PTI)の党首イムラン・カーン氏(65)が17日に、新首相に選出されました。

1.  カーン氏を選出

パキスタン下院は17日に投票を行い7月25日の下院選で第1党となったパキスタン正義運動(PTI)の党首であるイムラン・カーン氏(65)を首相に選出。元クリケット選手として国民的英雄であり、就任前から絶大な人気を誇っています。

カーン氏は就任後の演説で「この国が持ち漕がれていた変革をもたらすことを約束する」と表明。「厳格なる汚職対策を行うほか、選挙制を改革により、だれもが信頼できる統治体制を作り上げる」としました。

 図表1 議会で議員就任式に臨むイムラン・カーン党首

2. 前途は多難

選挙戦では、PTIは第2党に転落したイスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)や第3党であるパキスタン人民党(PPP)など富裕層中心の政治と「汚職撲滅」を掲げて批判しました。クリケットはパキスタンなど南アジアや英国で高い人気を誇っており、そのスターであったカーン氏は清新なイメージを前面に出すことにより選挙に勝利。

ただ、米長期金利上昇をきっかけとして新興国の通貨には売り圧力がかかっています。外貨準備高は10日現在で101億ドル(約1兆1000億円)と、16年10月から半減し、輸入の2か月分にすぎません。対外債務は1000億ドル近くに上っています。

支援を要請する相手としては、国際通貨基金(IMF)、中国、サウジなどが候補に挙がっています。中国は「一帯一路」政策によって南アジアへの関与を強めており、今後はパキスタンに対しても影響力を強める可能性があります。

平成29年8月18日 インドネシア利上げ 

おはようございます。インドネシア中銀は、+0.25%ポイントの利上げを行いました。

1. 7月CPI上昇率は+3.18%に加速

インドネシア中央統計局は8月1日に、7月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+3.18%の上昇になったと発表(図表1参照)。市場予想の+3.24%を下回ったものの、前月の+3.12%からはやや加速。

 図表1 インドネシアのCPI前年同月比上昇率

2. 政策金利を引き上げ

一方、インドネシア中央銀行は8月15日の理事会で、政策金利である7日物リバースレポレートを5.25%から5.5%へと引き上げることを決定(図表2参照)。利上げは2か月ぶり。通貨ルピアはトルコ・リラの急落を受けて下落しており、アジア通貨危機後の最安値に迫っています。利上げにより、通貨下落とそれに伴う輸入物価上昇を抑える狙いがあります。

 図表2 インドネシアの政策金利

定例会合後に記者会見した中銀のペリー総裁は「米利上げやトルコなど外部要因を注視している」としました。インドネシアの経済的基礎条件は堅調であるとし、「中銀の姿勢はタカ派(金融引締め派)であり続ける」と述べました。通貨ルピアが下落した場合には、追加利上げをすると示唆し、通貨防衛の姿勢を鮮明にしました。

  3. 4-6期+5.01%成長

インドネシア中央統計局は8月6日に、4-6月期の国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比+5.27%であると発表(図表3参照)。4-6月期の+5.06%から加速。市場予想の+5.1%を上回りました。ただ、足下では通貨下落による輸入物価の上昇や、通貨防衛目的の利上げによる影響など、景気の不透明要因が増加しています。

 図表3 インドネシアの四半期成長率(前年同期比)

成長率は2014年10月にジョコ大統領が誕生して以来最も高くなり、19年の大統領選を目指す同氏にとっては、有利な材料となりそうです。

項目別では、個人消費が+5.14%と、1-3月の+4.95%から加速したことが主な要因。軍人や警察官に支払う賞与を大幅に増額し、消費意欲を刺激したことが功を奏しました。

平成30年8月16日 中国7月鉱工業生産と小売売上高 

おはようございます。中国7月の統計で、鉱工業生産の伸び率は予想を下回りました。

1. 鉱工業生産伸び率は予想下回る

中国の国家統計局が14日に発表した統計によると、年間売上高2000万元以上の企業の3月の鉱工業生産(付加価値ベース)は前年同月比+6.0%と、6月の+6.0%から横這い。市場予想の+6.3%からは下振れ。

 図表1 中国の鉱工業生産(前年同月比)

2. 7月小売売上高は予想上回る

一方、中国の国家統計局は同日に、17年7月の小売売上高が、前年同期比+8.8%になったと発表(図表2参照)。6月の+9.0%から伸び率が減速。市場予想の+9.1%からも下振れ。

 図表2 中国の小売売上高(前年同月比)

3. 1-7月固定資産投資は伸びが鈍化

他方、国家統計強による同日発表の18年1-7月の固定資産投資は、前年同期比+5.5%。伸び率は1-6月の+6.0%から減速。市場予想の+6.0%からも下振れ。

7月の一連の指標を見ると、政府が進めてきた過剰債務削減の影響が出ていることがわかります。米国との貿易戦争の激化により、今後は輸出が低迷し、生産が影響を受けることも考えられます。習政権は景気対策の取りまとめを急いで居るものの、抜本的な改革を先送りする可能性もあります。

中国では従来、地方政府による過剰な固定資産投資が、過剰な債務につなげってきました。固定資産投資に代わって景気を下支えすることが期待されている個人消費は、伸び悩んでいます。自動車販売も伸びを欠いており、消費者の間では、むしろ節約ムードが高まっています。

輸出は堅調で、今のところ米中貿易摩擦の影響は見られません。ただ、ロボット生産が急減速するなど、一部に変調の兆しもあります。政府は今後、インフラ投資を中心として景気対策を打ち出してくるものと予想されます。

平成30年8月15日 アルゼンチン・ペソ急落 

お盆休みの方も多いかと存じますが、如何お過ごしでしょうか。アルゼンチン・ペソが急落しました。

1.  新興国通貨が大幅下落

米長期金利の上昇などにより、このところ新興国の通貨が下落する傾向にあります。特に下落率の大きいのがトルコとアルゼンチン。トルコについては、昨日の報告の通り、米国とトルコとの外交上の問題、中銀の中立性の問題などがあります。

トルコと並んで、このところ大幅に通貨が下落しているのがアルゼンチン・ペソ。昨年末からの下落率は約▲60%となっており、下落幅が目立ちます。アルゼンチンでは、対外債務の額が外貨準備高と比較して大きく、トルコ、南ア、インドネシアなどと共に、通貨は売りの標的となっています。

 図表1 アルゼンチン・ペソの対ドルレート

2. アルゼンチンは国際通貨基金(IMF)支援を受け入れ

ただ、アルゼンチンはIMFの支援を受け入れ、また中銀が金利を引き上げるなど、それなりの対応をとっています。アルゼンチン政府は6月7日に、国際通貨基金(IMF)と、500億ドル(約5兆4800億円)の融資枠設定で合意したと発表。通貨ペソの下落に対して、下支え効果を狙っています。同国政府は、IMF支援の条件として、19年の財政赤字を国内総生産(GDP)比で▲1.3%にするという財政再建策を受け入れました。

今後3年間で、緊急時に融資を受け入れられる「スタンバイ融資枠」を設定。ドゥホブネ財務相はブレの素アイレスで記者皆生し、「国際社会のアルゼンチンへの支援を反映しており、とてもよいニュースが」としました。ただ、国内にはIMFの支援を受けることに対する反発も強く、通貨下落など混乱が収まるかどうかは、予断を許しません。

3. 緊急利上げ

さらにアルゼンチンの中銀は13日に、政策金利を+5%ポイント引き上げて年45%にすると発表。トルコ・リラの急落を受けて金融市場が混乱する中、アルゼンチン・ペソも対ドルで大幅下落。 中銀は緊急政策決定会合を開催し、利上げを決定。声明では、「国外の情勢と物価上昇のリスクに対応するため」と説明。中銀は7日には、政策金利の据え置きを決定していました。中銀は声明で、「少なくとも10月まで利率を下げないことを決めた」として、ペソの売り圧力に対抗する姿勢を示しました。

平成30年8月14日 トルコ・リラ急落 

おはようございます。トルコ・リラが急落しました。

1.  大統領は強硬姿勢

トルコのエルドアン大統領は、急落した通貨リラについて、政策金利の引き上げに否定的な考えを12日に示唆。「自分が生きている限り、金利の罠には落ちない」としました。

リラは10日に一時約2割の下落となり、海外市場でも一時1ドル=7.2台の取引となり、年初来安値を更新。米国との関係悪化がリラ下落の主因ですが、エルドアン大統領は演説で「政治的陰謀」「降伏はしない」として、米国からの圧力に対して強硬姿勢をとっています。

 図表1 トルコ・リラの対ドルレート(TRY/USD)

2. 米・トルコとも強硬姿勢継続か

米トランプ大統領は、2016年のクーデター未遂事件に関与したとして拘束されている、米国人の牧師の釈放を求めています。1日以降には、トルコの2閣僚に対して、金融制裁を科して圧力を高めています。

エルドアン大統領は米国人の牧師の釈放を拒否。同氏は演説で「政治的主権を放棄しろというのか」延べ、国際通貨基金(IMF)による支援も拒否。米国とトルコが互いに強硬姿勢を継続する可能性が高く、通貨、またひいては株式市場の混乱が続くことになりそうです。

平成30年8月13日 中国7月貿易統計 

おはようございます。中国の7月貿易統計では、ドル建て輸出入が予想を上回りました。

1. 1-3月期GDP成長率は+6.8%

まず、中国の景気を見ておきましょう。中国の国家統計局は4月17日に今年1-3期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比で+6.8%の伸びだと発表(図表1参照)。成長率は昨年10-12月期から横這い。市場予想の+6.8%に一致。

成長率は、17年7-9月期から3四半期連続で+6.8%。18年の政府目標の「+6.5%程度」を上回っています。1-3月期は前期比では+1.4%と、10-12月期の+1.6%から鈍化。1-3月期には固定資産投資が減速し、個人消費も底堅いものの、力強さに欠けます。輸出は好調。1-3月期の輸出はドルベースで前年同期比+14%と、前期の同+8%から加速しました。

 図表1 タイの四半期成長率(前年同期比)

2. 7月貿易統計で、ドル建て輸出が予想上回る

一方、中国税関署が8日に発表した18年7月の貿易統計(ドル建て)では、輸出と輸入がともに市場予想を上回りました。輸入は前年同月比+27.3%(市場予想+16.5%)と、伸び率が前月の+14.1%から加速。輸出は+12.2%(同+10.0%)で、伸び率は前月の+11.3%から加速。貿易収支は280億5000万ドルの黒字(同389億2000万ドルの黒字)となりました。

3. 外貨準備高は2か月連続増加

一方、中国人民銀行(中銀)が7日発表した18年7月末の外貨準備高は、3兆2100億4500万ドル。市場予想の3兆1000ドルを上回りました。前月比では、58億1700万ドル増加し、2か月連続で前月比増加となりました。

平成30年8月12日 タイ金利据え置き 

おはようございます。タイの中銀は、政策金利を据え置きました。

1. 1-3月期成長率+4.3%に改善

タイ国家経済社会開発庁(NESDB)は5月21日に、1-3月期の国民総生産(GDP)成長率が前年同期比+4.8%になったと発表。10-12月期の+4.0%から加速。輸出と観光が好調で、市場予想の+4.0%から上振れ。前期比では季節調整済みで+2.0%と、予想の+1.2%を上回りました。

軍事政権の誕生から4年が経過し、タイ経済は輸出と観光の伸びに支えられ、回復基調にあります。軍事政権は従来の官僚主義を改め、産業の近代化に向けて、海外からの投資を広く受け入れ、インフラ整備に注力。ただ、一部の大型事業は遅れており、来年実施される総選挙が、同国経済の不確実性を増しています。

 図表1 タイの四半期成長率(前年同期比)

2. CPI伸び率は横這い

一方、タイ商業省は8月1日に、7月の消費者物価指数(CPI)上昇率が、前年同月比+1.46%であったと発表(図表2参照)。前月の同+1.38%から加速。市場予想の+1.46%に一致。

 図表2 タイのCPI(前年同月比)

3. 政策金利を維持

一方、タイ中央銀行は8月8日の金融政策決定会合で、市場予想通り、政策金利の1日物レポ金利を1.5%に維持することを全会一致で決定(図表2参照)。中銀は15年4月会合まで2会合連続で利下げし、その後は同6月より据え置きに転じました。タイ経済は、輸出主導で回復を継続しているものの、個人消費にはなお弱さがのこっています。中国との貿易戦争を引き起こしている米国の貿易政策が懸念であるとの見解も示唆。

東南アジアではインドネシアやフィリピンの中銀が相次いで利上げに踏み切ったが、タイは15年4月の利下げ(0.25%)を最後に、3年以上も政策金利を変えていない。国内総生産(GDP)の約1割に相当する経常黒字が通貨バーツを下支えしており、タイ中銀が通貨防衛を意識する状況にはなっていない。

 図表3 タイの政策金利

東南アジアでは、インドネシアやフィリピンの中銀が相次いで利上げを行って物の、タイは15年4月の利下げ(▲0.25%)を最後として、3年以上も政策金利を維持。国内総生産(GDP)の約1割に相当する経常黒字が通貨バーツを支えており、中銀は通貨の貿易を意識する必要もない状況であると言えます。

平成30年8月11日 中国7月PPI上昇率が鈍化 

おはようございます。中国の7月PPIは、上昇率が鈍化しました。

1. 7月CPIは+2.1%で伸び率は加速

中国では国家統計局が9日に、7月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比+2.1%と発表。伸び率は前月から加速し、市場予想の+1.9%からも上振れ。食品以外の価格上昇が牽引。

 図表1 中国の消費者物価指数(CPI)前年同月比上昇率

2. PPIは+4.6%で前月から鈍化

一方、中国の国家統計局の同日の発表によると、7月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比+4.6%となり、前月の+3.7%から伸び率が鈍化。市場予想の+4.4%からは上振れ。景気減速に影響により、鈍化しました。

今回のPPI、CPIは、中国政府が7月6日に340億ドル相当の米国製品に導入した報復関税を受けての初の物価統計でした。

キャピタル・エコにミクスの中国エコノミストのジュリアン・エバンスプリチャード氏は、「今後は、中国の対米報復関税と最近の人民元の下落が輸入価格への一定の上昇圧力になる」としました。

平成30年8月9日 トルコ中銀が外貨建て預金準備率を引き下げ 

おはようございます。トルコの中銀は、外貨建て預金準備率を引き下げました。

1.  通貨下落に対応

トルコの中央銀行は6日に、通貨リラの対ドル下落を防止するために、市中銀行が中銀に預ける外国通貨建ての預金準備率を住リアの45%から40%に引き下げて、ドルを供給しました。

外貨建て預金準備率を引き下げることにより、金融システム、特に銀行の手元に約2億ドルのドルの流動性が供給されることとなり、それによりドル資金調達圧力が低下し、ドルの上昇を防ぐという意図です。

リラは先週に、米国のアンドリュー・ブランソン神父がトルコで身柄を拘束された問題により、米政府がエルドアン政権の司法相と内相に対して金融制裁を実施し、両国の関係が悪化。米通商代表部(USTR)がトルコからの一部輸入品に対するゼロ関税の特別措置の見直しを決めたことにより、リラの下落が加速。一時、リラは1ドル=5.19リラと、▲1.8%の急落となりました。

2. 6月CPI上昇率は+15.39%に加速

続いて、経済指標を順に見ておきましょう。トルコ統計機構(TUIK)は7月3日に、6月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+13.39%の上昇になったと発表(図表1参照)。前月の+12.15%から大幅に加速し、04年以来の高水準となりました。一方、値動きが激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIも同+14.6%の上昇となりました。

これを受けて通貨リラが売り込まれ、統計発表後には、リラは1ドル=4.67リラと、約▲1%の下落。リラは年初来では既に約20%の大幅下落となっており、リラの下落により輸入物価が押し上げられ、インフレ率の加速が続いています。

6月CPIは前月比でも+2.61%と、5月の同+1.62%から大幅に上昇率が加速。市場予想のほぼ2倍の高い上昇率。これを受けて、メーメット・シムセク副首相(経済担当)は、「インフレや経常赤字といった経済問題は中的に解消される。金融と財政、マクロ経済の政策を組み合わせた予防的措置を強化することにより、トルコ経済のソフトランディング(軟着陸)は可能だ」としました。

一方、トルコ中銀はインフレ抑制とリラ下落の進行を阻止するために、4月以降、+5.00%ポイントの利上げを実施。市場では、次回7月24日の金融政策決定会合でも、追加利上げするとの見方が強まっています。前回は主要政策金利である1週間物レポ金利を+1.25%引き上げましたが、更なる大幅利上げが必要であるとの見方もあります。

 図表1 トルコのCPI前年同月比上昇率

3. 政策金利を据え置き

一方、トルコ中央銀行は7月24日の金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を、予想外に17.75%に据え置きました。市場よそうでは、+1.25%程度の利上げを予想していました。中銀は、国内需要が弱っていることを、据え置きの理由に挙げました。

 図表2 トルコの政策金利

会合に先立って、エルドアン大統領は、利上げを公然と批判。中銀の独立性に対する疑念が強まり、通貨リラが売り込まれました。24日の会合は、エルドアン氏が憲法改正により広範な権限を手にしてから、初の会合。大統領の圧力が、中銀の決定に影響したとの見方が強まり、今後も、リラの下落が継続する可能性があります。それに伴い、インフレ圧力も高まると予想されています。

  4. 1-3月期成長率

tt他方、トルコ統計局が6月1日に発表した年1-3月期GDP(国内総生産)は、前年同期比+7.4% (図表3参照)。昨年10-12月期の同+7.4%からやや加速。トルコ経済は、昨年7-9月期に+11.3%と2桁成長になったのちに減速。ただ、政府の景気梃入れ策によって17年通年では+7.4%となり、1-3月期には勢いが持続しています。

 図表3 トルコ四期成長率(前年同期比)

1-3月期GDPの内訳は、家計消費支出が同+11.0%(前期は同+6.6%)と、2桁の高い伸びとなり、全体を牽引。政府消費支出は同+3.4%(同+7.4%)。輸出は同+0.5%(同+22.7%)と急減速したものの、輸入も同+15.6%(同+22.7%)と、伸びが縮小しました。

平成29年8月8日 インドネシア4-6月期+5.27% 

おはようございます。インドネシアの4-6月期成長率は、+5.27%に加速しました。

1. 4月CPI上昇率は+3.18%に加速

インドネシア中央統計局は8月1日に、7月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+3.18%の上昇になったと発表(図表1参照)。市場予想の+3.24%を下回ったものの、前月の+3.12%からはやや加速。

 図表1 インドネシアのCPI前年同月比上昇率

2. 政策金利を据え置き

一方、インドネシア中央銀行は7月19日の理事会で、政策金利である7日物リバースレポレートを5.25%に据え置くことを決定(図表2参照)。据え置きは市場の予想通り。また、翌日物預金ファシリティー金利(FASBレート)も4.50%に、翌日物貸出ファシリティー金利も6.00%にそれぞれ据え置きました。

 図表2 インドネシアの政策金利

中銀は17年10月会合から今年4月会合まで7会合連続で政策金利を据え置いていましたが、5月頃からルピアが下落。ルピア安と国内からの資金流出阻止を目的に、5月の定例会合と同30日の臨時会合、さらに前回6月会合において3度にわたり利上げを行っていました。

今回の金利据え置きについて中銀は、声明文で、「国際金融市場の先行き不透明感が広がる中、今回の政策決定はルピア相場の安定を維持するために国内金融市場の魅力を維持する努力と一致する」都市、追加利上げなしでもルピア相場を安定できるとの考えを示唆しました。

  3. 4-6期+5.01%成長

インドネシア中央統計局は8月6日に、4-6月期の国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比+5.27%であると発表(図表3参照)。4-6月期の+5.06%から加速。市場予想の+5.1%を上回りました。ただ、足下では通貨下落による輸入物価の上昇や、通貨防衛目的の利上げによる影響など、景気の不透明要因が増加しています。

 図表3 インドネシアの四半期成長率(前年同期比)

成長率は2014年10月にジョコ大統領が誕生して以来最も高くなり、19年の大統領選を目指す同氏にとっては、有利な材料となりそうです。

項目別では、個人消費が+5.14%と、1-3月の+4.95%から加速したことが主な要因。軍人や警察官に支払う賞与を大幅に増額し、消費意欲を刺激したことが功を奏しました。

平成29年8月7日 トルコが米2閣僚の資産凍結 

おはようございます。トルコのエルドアン大統領は、米2閣僚の資産を凍結するよう指示したと発表しました。

1.  米の金融制裁に報復

トルコのメエルドアン大統領は4日の演説で、米国の司法長官ら2閣僚のトルコ国内にある資産を凍結するよう指示したことを明らかにしました。米国人牧師の高速問題を巡って、米国がトルコ閣僚に対して発動した金融制裁への報復措置で、両国間の緊張が高まっています。

エルドアン大統領は4日、首都アンカラにおいて行った演説で、米国の制裁を「非論理的だ。トルコは米国の国内政治の小道具にはならない」としました。

米国の牧師については、米政府が1日に即時釈放を求め、トルコのギュル法相とソイル内相の資産を凍結するなどの金融制裁を科しました。トルコは直ちに制裁撤回するように要請。3日には、トルコのチャブシオール外相が米国のポンペオ国務長官とシンガポールに問い会談しました。

米国とトルコは北大西洋条約機構に共に所属しており、同盟国同士で金融制裁を科すのは異例の事。両国の関係の悪化が懸念されています。米国が金融制裁に踏み切って以来、通貨リラが下落し、対ドルの安値を更新。通貨下落による輸入物価の上昇が懸念されます。

2. 6月CPI上昇率は+15.39%に加速

続いて、経済指標を順に見ておきましょう。トルコ統計機構(TUIK)は7月3日に、6月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+13.39%の上昇になったと発表(図表1参照)。前月の+12.15%から大幅に加速し、04年以来の高水準となりました。一方、値動きが激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIも同+14.6%の上昇となりました。

これを受けて通貨リラが売り込まれ、統計発表後には、リラは1ドル=4.67リラと、約▲1%の下落。リラは年初来では既に約20%の大幅下落となっており、リラの下落により輸入物価が押し上げられ、インフレ率の加速が続いています。

6月CPIは前月比でも+2.61%と、5月の同+1.62%から大幅に上昇率が加速。市場予想のほぼ2倍の高い上昇率。これを受けて、メーメット・シムセク副首相(経済担当)は、「インフレや経常赤字といった経済問題は中的に解消される。金融と財政、マクロ経済の政策を組み合わせた予防的措置を強化することにより、トルコ経済のソフトランディング(軟着陸)は可能だ」としました。

一方、トルコ中銀はインフレ抑制とリラ下落の進行を阻止するために、4月以降、+5.00%ポイントの利上げを実施。市場では、次回7月24日の金融政策決定会合でも、追加利上げするとの見方が強まっています。前回は主要政策金利である1週間物レポ金利を+1.25%引き上げましたが、更なる大幅利上げが必要であるとの見方もあります。

 図表1 トルコのCPI前年同月比上昇率

3. 政策金利を据え置き

一方、トルコ中央銀行は7月24日の金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を、予想外に17.75%に据え置きました。市場よそうでは、+1.25%程度の利上げを予想していました。中銀は、国内需要が弱っていることを、据え置きの理由に挙げました。

 図表2 トルコの政策金利

会合に先立って、エルドアン大統領は、利上げを公然と批判。中銀の独立性に対する疑念が強まり、通貨リラが売り込まれました。24日の会合は、エルドアン氏が憲法改正により広範な権限を手にしてから、初の会合。大統領の圧力が、中銀の決定に影響したとの見方が強まり、今後も、リラの下落が継続する可能性があります。それに伴い、インフレ圧力も高まると予想されています。

  4. 1-3月期成長率

tt他方、トルコ統計局が6月1日に発表した年1-3月期GDP(国内総生産)は、前年同期比+7.4% (図表3参照)。昨年10-12月期の同+7.4%からやや加速。トルコ経済は、昨年7-9月期に+11.3%と2桁成長になったのちに減速。ただ、政府の景気梃入れ策によって17年通年では+7.4%となり、1-3月期には勢いが持続しています。

 図表3 トルコ四期成長率(前年同期比)

1-3月期GDPの内訳は、家計消費支出が同+11.0%(前期は同+6.6%)と、2桁の高い伸びとなり、全体を牽引。政府消費支出は同+3.4%(同+7.4%)。輸出は同+0.5%(同+22.7%)と急減速したものの、輸入も同+15.6%(同+22.7%)と、伸びが縮小しました。

平成29年8月6日 ブラジル金利据え置き 

おはようございます。ブラジルの中銀は、政策金利を据え置きました。

1. 政策金利を据え置き

ブラジル中央銀行は8月1日の金融政策委員会で、政策金利を6.5%に据え置くことを決定(図表1参照)。据え置きは3会合連続。通貨レアルは、米国の利上げにより対ドルで下落していたものの、足下では値を戻しており、金利を据え置きました。一方、声明で貿易戦争に対する懸念を新たに盛り込むなど、米政権の仕掛ける貿易戦争に対する警戒感を示唆しました。

中銀は声明で、ブラジル経済に関するリスク要因として、「先進国の金利正常化と国際貿易の不確実性」であるとしました。

米国の利上げや10月に予定されているブラジル大統領選の不透明感が嫌気され、通貨レアルは一時1ドル=3.9レアルを記録するなど売られたものの、足下では、1ドル=3.7レアル台へと持ち直しています。

 図表1 ブラジルの政策金利

2. インフレ率が低水準を維持

一方、インフレ率は、比較的低水準を維持しています。ブラジル地理統計院は7月6日に、6月の拡大消費者物価指数(IPCA-15)が、前年同月比+4.39%になったと発表(図表2参照)。市場予想の+4.42%とほぼ同水準で、前月の同+2.86%から大幅に加速。

 図表2 ブラジルの消費者物価指数(IPCA)

3.  1-3月期GDPは+1.2.%に減速

他方、ブラジル地理統計院は5月30日に、1-3月期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比+1.2%であったと発表(図表3参照)。昨年10-12月期の+2.1%から減速。前期比では+0.4%で、前期の同+0.2%ポイントの加速となり、5四半期連続のプラス成長を確保。但し、足元では減速感が出ています。

猶、17年通年では+1.0%と、3年ぶりのプラス成長に転じました。

前期比での加速は、好調な農業に支えられたもので、製造業、サービス業はともに伸び悩みました。2月のリオのカーニバルは過去最高の観客を記録して、経済効果を期待する向きもあったものの、個人消費は低調。歴史的な低金利により、自動車、耐久消費財などの販売は回復しているものの、失業率の高止まりにより、中間層の消費に力強さがない状況。

 図表3 ブラジルの四半期成長率(前年同期比)

21日に始まった、燃料費の高騰に抗議するトラック運転手らのストの長期化も懸念材料。物流網の麻痺により、全国で自動車生産が停止されたほか、飼料の流通の停止により、家畜にも被害が出ています。一部の組合員はストを解除したと報じられているものの、物流の混乱が継続する見込みです。

平成29年8月5日 米7月雇用者数+15.7万人 

おはようございます。米国の7月の雇用統計で、雇用者数が+15.7万人の増加となりました。

1. 雇用者数が+15.7万人

米労働省は7月の雇用統計を3日に発表し、非農業部門の雇用者数増加は前月比+15.7万人(図表1参照)。雇用者数の増加は、市場予想の19.3万人を下回りました。失業率は前月から▲0.1%ポイント低下して3.9%。市場予想に一致。平均時給は前年同月比+2.7%で、前月に同じ。市場の予想通り。

前月まで2か月間の雇用者数は合計で+5.9万人の上方修正。これにより、3か月間の平均値は+22.4万人。7月には、民間部門の雇用者が+17万人で、前月の+23.4万人から伸びが鈍化。政府部門は▲1.3万人の減少。前月は+1.4万人。

 図表1 NYダウと非農業部門雇用者数増加

2. FRBは年内2回利上げか

一方、2日発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策生命では、米国の経済活動が力強い速度で拡大しているとの景気判断があります。次回9月また、12月における利上げが確実死されています。

他方、景気拡大、また完全雇用で上昇すると期待されていた賃金の伸びは力強さを欠いており、物価の上昇圧力も高まっていません。個人消費にも力強さはなく、来年には景気後退期に入るとの観測も一部あります。来年には、FRBは利上げ打ち止めを探ることも考えられます。

平成29年8月4日 インドが利上げ 

おはようございます。インド中央銀行は、利上げしました。

1. 消費者物価指数上昇率が加速

まず、インド統計局が7月12日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+5.0%(図表1参照)。前月の+4.87%から加速。市場予想の+5.3%からは下振れ。

インド準備銀行(中銀)のインフレ目標は+2〜6%となっており、現在のインフレ率は中銀の目標の範囲に収まっています。ただ、足下では食料品はエネルギーなど生活必需品を中心として物価上昇圧力が強まる可能性があります。さらに、米長期金の上昇により、通貨に下落圧力がかかっており、輸入物価が上昇する傾向にあります。

 図表1 インドの消費者物価指数前年同月比上昇率

2. 1-3月期成長率+7.7%に加速

続いて、インド統計局が5月31日に発表した1-3月期成長率は、前年同期比+7.7%(図表2参照)。市場予想の+7.3%を上回り、前期の+7.0%から。約2年ぶりの高い伸びで、中国の1-3月期の+6.8%をも上回り、主要国の中では最も高い成長率を維持。

更に、今年3月までの2017-18年度の成長率は+6.7%と、前年の+7.1%からは鈍化したものの、エコノミストは今年度の成長率は、高くなると予想。

製造業の伸びが前年同期の+6.1%から+9.1%に加速し、全体の成長を牽引。製造業では、投資が拡大しています。

 図表2 インドの四半期成長率(前年同期比)

3. 政策金利を引き上げ

他方、インド準備銀行(中央銀行、RBI)は8月1日開催の金融政策決定会合で、政策金利のレポレートを+0.25%ポイント引き上げて6.50することを決定(図表3参照)。6人の政策委員のうち5人が引き上げに賛成。利上げは市場の予想通り。利上げは2会合連続。

RBIは17年8月会合で主要政策金利を16年10月以来10か月ぶりに+0.25%ポイント利上げし、市中銀行が資金逼迫時にRBIから政府債を担保に借りることができるMSF金利も同じく+0.25%ポイント利上げし6.75%としました。

 図表3 インドの政策金利

RBIは会合後に発表した声明文で、前回会合時と同様に、「今回の利上げ決定は、中立の金融政策スタンスと調和するもので、経済成長を支えながらCPI(消費者物価指数)で見たインフレ率の中期の物価目標である+4%±2%を達成するという我々の目的と合致する」として、小幅利上げにもかかわらず、金融は引き締めや緩和のどちらでもないとの認識を示唆。この中立姿勢は、インフレ動向次第で将来の利上げ、または利下げに含みを持たせることを示唆しています。

平成29年8月2日 中国7月PMI 

おはようございます。中国の7月製造業PMIは、予想を下回りしました。

1. 7月製造業PMIは予想下回る

中国の国家統計局31日発表した7月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.2と、前月の51.5から低下(図表1参照)。市場予想の51.3からも下振れ。低下は2か月連続。米国との貿易摩擦の悪化で、製造業が困難に直面していることが示唆されました。

統計局のチャオ氏は、例年7月は一部セクターで活動が鈍化する上、貿易摩擦、雨や気温の上昇により悪影響を受けたとしました。

中国の4-6月期のGDP(国内総生産)成長率は、前期からやや鈍化。政府の長年にわたる債務リスク管理が成長鈍化の要因となり、米国との貿易摩擦により、輸出セクターが打撃を受けました。

 図表1 中国の製造業購買担当者指数(PMI)

2. 非製造業PMIは低下

一方、中国の国家統計局が同日発表した7月の非製造業購買担当者指数(PMI)は54.0。前月の55.0から低下。

平成29年8月1日 ロシアが政策金利維持 

おはようございます。ロシアの中銀は、政策金利を維持しました。

1. 1-3月期GDP成長率は+1.3%に加速

ロシア連邦統計局が6月18日発表した統計によると、1-3期国内総生産(GDP)は、前年同期比+1.3%(図表1参照、速報値)にとどまりました。前期の+0.9%から加速。

金融・保険、不動産また公共事業が回復を牽引しました。さらに、製造業と鉱業でも生産が回復しました。

 図表1 ロシアの四半期GDP成長率

2. インフレ率が鈍化

国家統計局から7月6日発表された6月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は+2.3%と、伸び率は前月から▲0.1%ポイントの鈍化(図表2参照)。市場予想の+2.2%からは上振れ。

 図表2 ロシアの消費者物価指数前年同月比上昇率

3. 政策金利を据え置き



一方、ロシア中央銀行は7月27日に政策決定会合を開き、主要政策金利である1週間物レポ入札最低金利を7.25%に据え置くことを決定(図表3参照)。資金吸収のための1週間物入札預金金利も据え置き。据え置きは大方の市場の予想通り。 中銀は17年3月会合で半年ぶりにリサ下げに転じて以来、同5月会合まで3会合連続で利下げを実施したものの、同7月会合で現状維持を決定。インフレの動向やリスクをン見極めていました。

 図表3 ロシアの政策金利

足下で、インフレ下ぶれリスクが高まったために、同9月会合では、4か月ぶりに利下げの再開。それ以降には、18年3月会合まで5会合連続で利下げを実施。利下げ幅が▲1.75%ポイントに達したことや、地政学的リスクでルーブル下落が進行したことにより、4月会合で金利据え置きに転じました。据え置きは前回6月会合に続き、これで3会合連続。。